2026年3月1日、8日、15日の3日間で第四回にほんごる-むボランティア養成講座を開催しました。受講者は10名、4月より日本語ボランティアを開始します。
第1回養成講座(2026.3.1)
先日、日本語ボランティア講座の第1回を開催しました。当日は参加者の皆さんが早めに集合されたため、予定より少し早くスタートしました。
参加型で「考える」講座へ
冒頭では、法人や教室コーディネーターの紹介に続き、講座のねらいをお伝えしました。この講座は、「教え方を覚える場」ではなく、自分で考え、アイデアを出し、共有する参加型の学びの場です。また、日本語ボランティアを通して身につく力として、
・相手の立場に立つ力
・待つ姿勢、相手を信じる姿勢
・非言語コミュニケーション
など、人と関わるうえで大切な力についても共有しました。

自己紹介で感じる「伝える」と「伝わる」の違い
自己紹介では、運営メンバーの紹介に続き、参加者同士で「他己紹介」を行いました。ペアになり、「相手に知ってほしいことだけ」を伝え、それを相手が発表するというワークです。
この活動を通して、「伝えたいこと」と「伝わること」の違いや、情報をコントロールすることの大切さを体感していただきました。

その後は、初対面の学習者を意識した名札づくりも実施。「正しさより安心」「ゆっくり話す」といったポイントも確認しました。日本語ボランティアは「教える人」ではない後半では、日本語ボランティアの考え方について共有しました。

私たちが大切にしているのは、「教師」ではなく「伴走者」であること。すぐに答えを教えるのではなく、相手のペースに寄り添い、考える時間を大切にします。
実践ワーク
「母語話者は本当に日本語を教えられるのか?」というテーマで考えました。普段何気なく使っている日本語でも、いざ説明しようとすると難しいことに気づき、多くの参加者が新たな発見を得ていました。日本語の「難しさ」を前向きに日本語の難しさについても、ポジティブに捉え直すワークを行いました。
・漢字は「視覚で意味が分かる面白さ」がある
・敬語は「信頼関係をつくる言葉」である
といった意見が出され、日本語の魅力を改めて感じる時間となりました。

第2回養成講座(2026.3.8)
今回の講座では、在留資格の基礎から、日本語支援の実践的な方法まで幅広く学びました。
在留資格について
日本の人口構成や外国人の在留状況を確認し、在留資格の基本(就労・身分など)について理解しました。また、海外の事例も参考にしながら、「多文化共生」から「秩序ある共生」への流れについて考えました。

宿題発表(グループワーク)
「文字がまだ分からない」「会話に自信がない」学習者への対応をテーマに、グループで意見交換を行いました。それぞれの工夫やアイデアを共有し、活動の引き出しを増やしました。
教材を使った対話・実践
・日本語教育の参照枠と生活Can do
→ 学習目標の立て方やレベルの考え方を確認しました。
・やさしい日本語
→ 分かりやすい話し方(短い文・簡単な言葉)を意識することの大切さを学びました。
・教材選び
→ 学習者の目的やニーズに合わせて教材を選ぶポイントを整理しました。
・代表的な教材紹介
→ 初級~上級までの教材や、実際の活動で使える素材を確認しました。

次回に向けた課題
学習者のケースをもとに、具体的な活動案を作成します。
第3回養成講座(2026.3.15)
本日は、日本語ボランティア研修の最終回を実施しました。
実践!アイデア共有
受講者それぞれが「初級・中級・上級」のいずれかを想定し、次回からの活動案を発表しました(1人3分+コメント1分)。

上級では、IT企業勤務者を想定したロールプレイや、初回での関係づくり・目標設定の工夫など、実践的なアイデアが多く見られました。中級では、漢字学習や自国紹介を通した相互理解、学習歴の聞き取りなど、学習者に寄り添う視点が印象的でした。初級では、自己紹介や雰囲気づくりを大切にしながら、語彙力向上や目標確認につなげる工夫が共有されました。参加者同士のコメントも活発で、「具体性」「相手理解」「時間配分」などの観点から学びを深める時間となりました。

事務連絡
活動開始に向けて、アンケート提出や学習者情報の確認、LINEオープンチャットの登録について案内しました。安心・安全な運営のため、連絡ルール(欠席は前日まで)も再確認しました。
先輩座談会
にほんごるーむ(日曜)担当の永森さんをお招きし、実践経験を共有いただきました。未経験からスタートし、現在はN2レベルの学習者と自由会話を中心に活動。「教えすぎず、相手に話してもらう」「自然な会話の中で修正する」といった工夫が紹介されました。

また、学習者の希望に応じて内容を柔軟に変えることや、宿題の有無も個別に調整することの大切さが語られました。活動を通じて、学習者の変化だけでなく、自身の気づきや成長も実感されているとのことでした。

修了証授与
最後に、受講者9名へ修了証を授与しました。今後、それぞれの現場での活躍が期待されます。

交流会
講座終了後、17時まで交流会を開催し、今回の講座仲間の名前を『葉桜』としました。

振り返り
今回の講座を終えて、いくつかの気づきや今後に向けたヒントが見えてきました。備忘録として、そして次回への改善につなげるためにまとめておきます。
発表時間と参加者層
発表自体は、全体的に3分もかからずスムーズに進行できました。ただし、今後は参加者の年代や経験によって、時間配分を柔軟に変えていく必要がありそうです。慣れている方が多い場合は、もう少し深める時間を確保してもよいかもしれません。
「具体例」の扱い方
初回に「具体例をもう少し知りたい」という声がありました。活動記録から紹介することは可能ですが、あまり詳細に伝えすぎると、かえって型にはめてしまう懸念もあります。
一方で、不安を解消するという観点では、実例の提示は有効とも言えます。たとえば YouTube「となりでにほんご」のように、イメージを持てる素材の活用も検討できそうです。
先輩講話の効果
先輩の話は、参加者の不安解消に大きく寄与していました。やはり「生の声」は説得力があります。形式としては、先輩1名の講話+アンケート共有あるいは、2名程度のコンパクトな講話なども現実的で効果的だと感じました。
発表のランダム化
発表順をランダムにしたことで、「いつ当たるかわからない」という適度な緊張感が生まれ、結果的に聞く側の集中力も高まっていたように思います。
欠席者への対応
病欠などのケースでは、これまで補講・宿題対応などでフォローした経験があります。ただし理由によって柔軟に判断しつつ、初回までの欠席は次回へ持ち越す対応でも問題なさそうです。
時間管理の工夫
全体として時間通りに進行できたのは大きな成果でした。特に「残り時間」を紙で提示したことが効果的でした。今後もこのシンプルな方法は継続してよさそうです。
交流会の重要性
交流会は、想像以上に意味のある時間でした。参加者同士が気持ちを共有し、不安を言葉にし、相談し合う。その姿から、「安心感」が生まれていることが伝わってきました。一方で、話題をあらかじめ用意しておけば、さらに充実した時間になったとも感じています。
グループ活動の可能性
グループに名前をつけるだけで終わってしまうのは少しもったいない印象です。全体交流会の前に、グループ内での交流時間を設ける、名前をきっかけに関係性を深めるといった工夫で、より意味のある活動になりそうです。また、個別のやりとりが自然に生まれていた点も、とても良い流れでした。
会場について
会場の選択についても見直しの余地があります。レンタルスペース「クローバー」など、より適した環境の検討も今後の課題です。
参加者の様子
参加者の皆さんはとても熱心で、初回をどう進めるか真剣に考えている。ボランティアへの関心を持っている。他の参加者の様子を知りたいと思っている。といった姿勢が印象的でした。また、学習記録をしっかり書いている点からも、高いモチベーションが感じられました。
回を重ねることの意味
回を重ねるごとに、全体の進行にも余裕が出てきました。この「余白の時間」は今後、ロールプレイ、準備時間、アイデア出し
などに充てることで、より実践的な学びにつなげていけそうです。
まとめ
今回の講座は全体として順調に進み、特に「安心感のある場づくり」ができていたことが大きな成果でした。今後は、具体例の出し方・交流の設計・時間配分の最適化を意識しながら、さらに良い場にしていきたいと思います。





